【インド進出ことはじめ】まずはインドを知ろう
【インド進出ことはじめ】まずはインドを知ろう
2023年に中国を抜いて、ついに人口世界一となった国、インド。人口の多さに、中間層の豊富な購買意欲、そして若い労働力もたっぷり…グローバルビジネスに関わる人たちから、熱い視線を集めています。
でも、インドのこと、本当に知っていますか?
覚悟がないと成功できない…なんて言われているインドは、実はちょっと特殊で面白い国なんです。海外進出を考えるならまずは、その国の基本的なことを知っておくことが大事!
さっそく、一緒にインドの基礎を紐解いていきましょう。
インドの基礎データ
インドの場所、正確に言えますか?地図上でのイメージは、日本列島の左下の方にある三角形のところ…なんて感じでしょうか。インドは、北側は中国、ネパール、パキスタンなどに接していて、東側はバングラデシュやミャンマーと接しています。直行便だと東京ーニューデリーの飛行時間は10時間前後。航空券の価格は、直行便利用・往復で180,000円〜で、現地での宿泊代は一般的なホテルで8,000円〜くらいです。日本国籍の人がインドへ入国する際にはビザ(観光ビザで3,600円程度)を取得する必要があります。
インドの面積は328.7万平方キロメートル(インド政府資料より)で、これは日本の面積の約8.7倍に当たり、世界で7番目に大きな面積を持つ国です。
2023年4月、国連はインドの人口が14億2,860万人を超え、中国の14億2,570万人を上回ったとの推計を発表しました。人口ボーナス(経済発展は人口の若さで決まる、という考え方)は2040年ごろまで続くと言われていて、15歳から64歳の年代を生産年齢人口がインドの人口の3分の2を占めています。その数なんと9億5,000万人!人口の真ん中が何歳になるかを示す「中位年齢」は、日本が48歳、インドではなんと28歳で、20歳以上の差があります。
主な都市と産業を見てみましょう。首都ニューデリーは、約2,500万人を擁する政治・経済の中心。南部にはインドのシリコンバレーと呼ばれるベンガルール、自動車産業が盛んな東部のチェンナイ、西部にはインド第二の都市である商業の街ムンバイがあります。ちなみに、東京都の人口は1,403万人です。
インドは一年中暑い国、というイメージがあるかもしれませんが、北部のデリーでは乾季(10月〜2月)に入るとぐっと気温が下がり、最高気温は20°C程度、最低気温は10°C以下に。これは東京の10〜11月くらいの気温です。そして短い春のあとに訪れる暑季(4月~6月)には気温は35°Cを超えるようになり、5月~6月は猛暑となります。連日40°Cを超え、50°C近くにまで上がることもあるんだとか。また、インドの北部と南部でも気候が大きく異なります。視察などで現地を訪れる際には、注意が必要ですね。
広い国土を持つインドは、28の州と8つの連邦直轄地からなる連邦共和制です。「インド語」というのは存在せず、公用語であるヒンディー語をはじめとする22の言語がインドの言語として認められています。州は主にこの言語を基準として区切られていて、地域によって文化や食事、生活習慣なども多様。イギリス植民地支配の影響を受けているインド人は、英語が喋れるというイメージがありますが、その英語力にはかなりばらつきがあるので、ビジネス展開を考える際には、ヒンディー語はもちろん地域ごとの言語にも目を配る必要がありそうです。
躍進するインドの経済
現在、インドは名目GDPでは世界第5位で、購買力平価ベースのGDPでは日本より上の世界第3位。名目GDPは、今後さらに順位が上がると予測されています。インドは、巨大な消費市場を持つ国としても注目を集めています。
インドの経済成長を牽引している事業のひとつが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。欧米を中心に名だたる企業が、カスタマーサポートやバックオフィス、データ分析などの業務をインドにアウトソースしています。また、インド人の約半数が農業に従事しており、世界有数の農業国でもあります。世界一を誇る人口の「食」を支える国内需要はもちろん、米やお茶は輸出量でも世界トップクラスです。
インドというと、バスや電車に溢れるほど人が乗っている貧しい国のイメージがあったかもしれませんが、今や昔の話…?とはいえ、国内の経済格差は大きく、アジア上位の富豪がいる一方、多くの貧困層も抱えています。また、人口増加のスピードに雇用環境の創出が追いついておらず、若年層の雇用創出はインド政府も解決を急ぐ大きな課題となっています。
インド人の暮らし
インドではヒンドゥー教徒が約80%を占めており、イスラム教徒が14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%と続いています。日本人は、インド人というとターバンを巻いた男性の姿を思い浮かべるかもしれませんが、実はターバンを巻いているのはシク教徒の男性だけ。その割合は全インド人のうちたったの1%程度です。
インド人の食生活は宗教によって違いますが、約3割の人が菜食主義で、世界で最もベジタリアンの多い国といわれています。ヒンドゥー教徒にとって牛は神聖な動物なので牛肉は食べませんし、イスラム教徒は豚肉を食べません(イスラム教では、豚は不浄のものとされているため)。 宗教上肉食を禁じられているので、インド人と会食をする際にはメニューに十分注意を払う必要があります。 また、ヒンドゥー教の儀式には、大小様々な断食が取り入れられており、人々は日常的に“プチ断食”をしています。
一般的に、インド人は社交的で、人とのコミュニケーションを楽しむ傾向があります。私生活やお金の話をすることにもあまり抵抗がなく(人によりますが)、初対面でそういった話題になることも。また、時間に寛容な価値観を持っており、待ち合わせ時間にオンタイムで来ないこともしばしば。日本人は遅刻と感じますが、そのような捉え方をしない人も多いんだとか。イライラせずに、おおらかな気持ちで付き合うのがポイントかもしれません。
🇮🇳インド暮らしの豆知識🇮🇳
🍛インド人は1日4食!
インド人が食事をとるタイミングは1日4回で、朝・昼・スナックタイム・夜です。朝食を朝の時間に食べない人も多く、昼食(すなわち朝ごはん)は13〜14時頃、夕方にスナックタイムがあり、21時頃に家族揃って夕食を食べます。日本と比べると、随分遅い夕食ですね。昨今、外食もトレンドとなりつつあり、レストランでの待ち合わせ時間も20〜21時頃という感覚です。
🍖お肉が食べたい…
無宗教者や旅行者など、禁忌がない人たちの食生活はどうなっているのでしょうか?都市部にはインド料理以外のレストランがあり、和食から中華、イタリアン、フレンチまで何でも揃っています。スーパーマーケットでは牛肉や豚肉も購入できます。食事のデリバリーも一般的で、多くの人が利用しています。
🛁毎日お風呂に入る?
インドでは沐浴の習慣からか、毎日朝にシャワーを浴びる人が多いようです。バスタブに浸かる文化はなく、住宅ではトイレとシャワーブースが同じスペースにあるユニットバスのような空間が一般的です。
🚬電子タバコにご注意!
インドでは紙巻きのタバコが一般的で、喫煙率は20%前後のようです。レストランやホテルの共用部など、公共スペースでの喫煙は禁止されていて、罰金の対象です。公共施設やホテルには喫煙スペースが設けられているため、そこで喫煙することを推奨します。なお、電子たばこおよび加熱式たばこのインド国内への持ち込みや携行は禁止行為なので注意が必要です。
🚻トイレに紙はある?
インドの一般的なトイレに紙はありません。最近建設されたホテルやオフィスビル、空港にはトイレットペーパーがありますが、基本「紙はないもの」と思っていた方が良さそうです。日本人に馴染みのあるウォシュレットは、もちろんありません。どこのトイレにも洗い流しができるミニシャワーがついているので、それをうまく活用すると良いでしょう。
🏠️家賃はいくら?
住宅のスペックはピンキリですが、30,000ルピー(約54,000円)くらいから探せるようです。契約時にセキュリティーデポジットという保証金が必要で、賃料の2〜3ヶ月分をまとめて払うのが一般的。 南インドは商習慣が異なり、バンガロールの場合7〜10ヶ月分かかります。退去時に修理代や未払いの公共料金などがデポジットから差し引かれ、返金されます。
伸びしろが魅力のインド
ここまで、駆け足でインドの基本情報と暮らしの豆知識をご紹介しました。広大な国土に世界一の人口、それらをベースに躍進を続ける経済からは、無限の伸びしろを感じます。一方で、ビジネスを展開する際には、その地域性や言語の多様性などに目を向け、しっかりとリサーチやマーケティングを展開する必要があります。
まずはインドに興味を持って、この記事を読んだ、という時点で、あなたのインド進出は始まったも同然!?次回からは、インド進出に必要なステップをわかりやすくご紹介します。
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