相思相愛!? インドトレンドフェアの現場からみる インドと日本のマーケット

Lakshmi P
Feb 16, 2026By Lakshmi P

株式会社Indoチームで、1月28日(水)〜30日(金)に五反田OTCで開催されていた「インドトレンドフェア」に行ってきました。会場の様子と、現地でお会いしたインド在住のファッションコンサルタント、アチントさんのインタビューをお届けします。

今回お邪魔したのは、日本インド産業振興協会(JIIPA)が主催するインディアファッション&ライフスタイルショー「第17回 インドトレンドフェア」です。

インドトレンドフェアとは?

インド国内の各業界団体・輸出関連機関との協力のもと開催され、インド各地から100社あまりの有力輸出企業が参加し、「Made in India」のファッションおよびライフスタイル製品の多様性、技術、クリエイティビティを披露いたします。インドトレンドフェアは、インドのアパレル・ホームファニシング分野における代表的な展示会として、日本のバイヤーの皆様とインドのメーカー・輸出企業とのビジネス連携の架け橋となってまいりました。会場では、2027年秋冬シーズン向けの付加価値の高い製品が多数展示され、日本のファッション市場や嗜好に合わせたデザインにも焦点を当てております。(HPより)

インドトレードフェア2026

五反田OTCの会場に到着すると目に飛び込んで来るのは、ポップで鮮やかなこちらの看板!インドは暑い国というイメージがありますが、意外にもメインビジュアルはカラフルなニットやコートをまとった女性。後に会場に入ってからその秘密が明らかになるのですが、まずは展示会場の様子をご覧いただきましょう。

株式会社インド|インドトレードフェア

会場入口のブースに展示されていたのは、鮮やかなストールたち。ペイズリーやアニマル柄のストールは全て職人によるハンドメイドで作られているそうです。

株式会社インド|テキスタイル

その他にも、インドらしいテキスタイルが素敵なコットンのドレスや

株式会社インド|トレードフェア2026

様々な柄のクッションカバーやラグなどのホームファブリック

株式会社インド|ファブリック

タオルやバスローブ、アンダーウェアなどの暮らしに欠かせないプロダクトも

株式会社インド|アパレル

いわゆる既製服のサンプルもあります。会場では有名セレクトSHOPのバイヤーや、大手商社のスタッフが各ブースを回って商談をしている様子が見られました。

そして、会場内でひときわ大きなブースを構えていたのが『ウールマーク』です。実は、インドは世界第2位の羊飼育数を誇る(約7,500万頭、2022年時点)ウール生産大国。主にカーペットや衣料用ウールを生産しており、海外輸出も盛んです。

インドというと、さらりとした風合いのインド綿や光沢があり美しいスヴィンコットンなど「綿」のイメージが強かったのですが、実はウールもたくさん生産されているんですね。

株式会社インド|ウールマークス

ウールマークのブースでも、繊維商社の方やメーカー、アパレル企業の方たちが商談を交わしていました。

そして今回、約100社のインド企業が集まる展示会場の一角にある「DIV ファッションコンサルティング」のブースで、インドでアパレル関連のコンサルティング事業を展開しているアチント・サクセナ(ACHHINT SAKXENA)さんにインタビューをさせていただくことができました。以下に記事をまとめましたので、是非ご覧ください。

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なぜ今、日本のアパレルブランドにとってインド市場とインド製造が最重要なのか
― ファッション業界の視点から ―

次なる生産拠点・消費市場として視線を集めるインド

近年、世界のアパレル業界は大きな転換点を迎えています。
地政学リスク、サプライチェーンの分散、中国依存からの脱却ーー
こうした背景の中で、「次なる生産拠点・消費市場」として注目されている国がインドです。

ここでは、日本のアパレル・ファッションブランド向けに、
なぜ今インドが「製造拠点」そして「巨大消費市場」として有望なのかを、
ファッション業界に特化した視点で解説します。

株式会社インド|インタビュー

グローバル環境の変化と「ポスト・チャイナ」戦略
現在、多くのグローバルブランドが、中国一極集中によるリスクやコスト上昇、サプライチェーンの不安定可、そして地政学的緊張に怯えています。その結果、世界共通のテーマになっているのが「中国の次はどこか?(ポスト・チャイナ)」という問いですが、その答えとして急浮上しているのがインドです。
現在インドは、政治的安定と民主主義国家、国際的に信頼性の高いビジネス環境により、最も安全で現実的な代替拠点と見なされています。

インドは世界第3位の経済大国へ
世界最大規模の人口と内需主導型経済、ファッション・ライフスタイル市場の急成長により、インドは今後、世界第3位の経済規模になると予測されています。特にアパレル分野では、
価格帯・スタイル・世代を問わない幅広い需要が存在します。

かつてのインドは「輸出中心の生産国」でしたが、現在は状況が大きく変わりました。

インドのファッション市場の特徴
・あらゆる価格帯に消費者が存在
・中間層・富裕層の拡大
・ZARA、H&M、Uniqloなどの海外ファストファッションブランドが定着
・グローバルブランドを「手の届く存在」として購入できる消費力
このように、インド国内市場だけで十分にビジネスが成立する時代に入っています。

若く、購買力のある人口構成
インド最大の強みの一つは 人口構成です。人口の中心はファッション感度の高い15〜30歳で、購入頻度も高くなります。特に女性を中心に、流行を意識して洋服を短期間で買い替える層がおり、SNSやライフスタイル主導の消費が進んでいます。このため、ファストファッションの事業モデルが非常に相性の良い市場となっています。

日本ブランドにとってのインド製造のメリット
① 中国と競合できるコスト構造
インフラ投資の加速
AI・最新技術の導入
生産効率の向上
これにより、中国と同等、もしくはそれ以上のコスト競争力が実現可能になっています。

② グローバル基準のデザイン力
インドはすでに、
欧州ブランド
米国ブランド
東南アジアブランド 向けのデザイン・製造を長年行ってきました。

そのため、
世界で売れているデザインの知見
市場別アレンジ能力
を活かし、日本ブランド向けの商品企画・デザイン提案が可能です。

株式会社インド|インド産

③ 素材・生地テクノロジーの進化
インドでは現在、以下の分野への投資が進んでいます。
季節対応素材(コットン、ナイロン、シルク等)
日本市場向けの機能素材
オーガニック・サステナブル素材

以前は中国依存だった素材も、
現在ではインド国内で高品質に生産可能です。

④ 日本品質への対応力
国際基準に準拠した品質管理
日本市場を意識した精度・仕上がり
継続的な品質改善体制

「日本品質はインドでは難しい」という認識は、すでに過去のものになりつつあります。

インド進出戦略における成功のポイント
Tier1都市(デリー、ムンバイ、バンガロール)から開始して、段階的にTier2・Tier3都市へ展開していくこと、そして気候・文化・地域ごとの商品戦略が重要になります。

ユニクロの例
ユニクロは北インド・大都市では成功していますが、南インドでは気候・文化により戦略調整が必要な状況になっています。インドは国土が広く、アパレル事業で重要な「気候」に地域差があるため、「全国一律戦略」は通用しにくいと考えられます。一方で、地域最適化を進めることで大きな可能性があります。

日印関係と政府レベルの後押し
日印間の自由貿易・経済協力のベースがあるため、両国政府がビジネス促進に積極的な姿勢を見せています。インド政府は海外ブランドの進出も歓迎しています。さらに、
駐日インド大使からの評価や政府関係者による表彰といった、信頼性や公的な後押しも強まっています。

インドはもはや「将来の市場」ではなく、「今、動くべき現実的な選択肢」です。製造拠点として、巨大な消費市場として、そして日本ブランドの次の成長エンジンとして、ファッション業界における日印連携は、
双方にとって“Win-Win”の関係を生み出すと言えるでしょう。(インタビューここまで)

株式会社インド|DIV Fashion

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突然お声がけしたにも関わらず、インタビューに快く応じてくださったDIVファッションコンサルティングのアチント・サクセナ(ACHHINT SAKXENA)さん、ありがとうございました。華やかな商材に囲まれた会場でお話を聞くことができ、インドでのビジネス展開に大きく期待が膨らむ時間となりました。

また、2026年1月に合意に至ったインドとEUによる自由貿易協定(FTA)の締結により、日本企業がインドを経由してヨーロッパへ進出することも考えられます。これまで、インド産のアパレル製品には、EU向け輸出で約9〜10%程度の関税がかかっていましたが、このたびの協定で「関税0%」になると言われています。
今回のFTA締結は、日本の企業にとって「インド進出」が海外戦略の有効な選択肢となり得る出来事と言えそうです。

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