山形の電子・光学技術がインド医療分野を変える──高精度×信頼性の強み
はじめに:世界が評価する山形の“精密ものづくり”
山形県は、半導体部品、光学部品、FA装置、医療機器部品など、高精度を求められる電子・光学産業の集積地として知られています。
特に東根市・天童市・米沢市周辺には、光学・電子実装・精密加工のサプライヤーが多く、高い技術力が国内外から評価されています。
一方、インドは世界で最も人口が多い国となり、医療需要が急速に拡大。医療機器市場は2020年〜2025年に年平均15%超で成長すると政府が発表しており、高品質な海外技術への需要が年々高まっています。
山形の技術 × インド医療の成長
この組み合わせは、すでに複数の日系企業が進出するなど、現実的なビジネスチャンスとして注目されています。
1. インド医療市場が“巨大チャンス”となる理由
インドの医療市場は、以下の構造的要因により長期成長が確実視されています。
1.1 医療機器の輸入依存度が高い(約70〜80%)
インドの医療機器は約70〜80%が輸入品に依存しており、現地メーカーでは高精度部品の供給が難しい構造が続いています。
特に光学部品、電子部品、センサーモジュールなどは日本製品への信頼が厚く、山形の技術と親和性が高い領域です。
1.2富裕層・中間層の増加
インドでは2030年に中間層が3億人超になる見込み。
医療の質への要求が増え、高性能・高信頼性の医療機器が選ばれる市場に変化しています。
1.3政府が医療機器産業を重点育成
インド政府は「医療機器産業5カ年計画(2023〜2028)」を発表し、国内生産を強化中。
ただし、現時点では高度部品は不足しており、日本企業との協業を前提としたインセンティブ政策も進んでいます。
2. 山形の電子・光学技術“だからこそ”フィットする領域
インドの医療機関・医療機器メーカーが求めているのは、
壊れない・ズレない・高耐久・長寿命といった“信頼性の高さ”。
これはまさに山形企業が得意とする領域です。
2.1 光学ユニット(レンズ、光学モジュール、検査用光学部品)
遠隔医療、画像診断、病理検査などの需要増加に伴い、
インドでは高精度光学部品の安定調達が課題となっています。
山形の光学加工技術は、
- 偏心精度
- 表面粗さ
- 温度変化耐性
などで高い評価を受けており、日本製の“見え方のクオリティ”が強みになります。
2.2センサーモジュール・電子制御部品
血圧計・血糖値測定器・パルスオキシメータなどは、インドで普及が急拡大。
特にバンガロールではヘルステック・ウェアラブル医療が堅調に伸びています5。
山形企業が強い小型化、低ノイズ、高耐久のセンサー技術は、インド企業の要求に合致します。
2.3半導体関連装置・精密機構部品
チェンナイやバンガロールには、外資医療機器メーカーの製造拠点が多数進出。
現地部品は精度面で課題があり、高精度機構部品は日本調達が主流です。
3. インド主要都市:どこを狙うべきか?
インド医療市場は「全国一律」ではありません。
医療機器メーカーの集積、外資の拠点、病院チェーンの存在など、都市ごとに求められる技術・ビジネスチャンスが大きく異なります。
ここでは、山形の電子・光学技術がとくにフィットしやすい主要都市を4つに絞って解説します。
3.1ベンガルール(Bengaluru)
ベンガルールは「インドのシリコンバレー」と呼ばれ、IT・AI・IoTと医療の融合(HealthTech)が最も進んでいる都市です。
ウェアラブル、AI診断、遠隔医療デバイスなどが活発で、小型センサー・高精度光学・組み込み電子基板といった山形企業の得意領域と強い親和性があります。
<ポイント>
- 医療+ITの融合が進む“HealthTech”都市
- センサー、IoT、AI診断に需要
- スタートアップ集積
3.2ハイデラバード(Hyderabad)
世界最大級の製薬クラスター「Genome Valley」を持ち、バイオ医療・医薬品企業が多数集積。
さらに、医療機器メーカーや研究機関も集中しており、高信頼性の光学部品・電子制御部品の需要が継続的に存在します。
<ポイント>
- 世界最大級の製薬クラスター
- 医療機器メーカー・研究機関が集中
- 病院チェーン(Apollo)本社所在地
3.3デリーNCR(Delhi/Gurgaon)
インド北部最大の医療圏。Max Healthcare、Fortisなど、富裕層向けの高度医療病院が集中しています。
外資メーカーのインドHQも多く、高価格帯・高性能医療機器の需要が特に強い市場です。
<ポイント>
3.4チェンナイ(Chennai)
医療機器製造クラスターが形成され、外資メーカーの工場が多数進出している「製造業の都市」。
機構部品・電子部品・光学ユニットのサプライチェーンが構築されつつありますが、精度の高い部品は依然として海外依存が多く、日系企業にチャンスが大きい地域です。
<ポイント>
- 医療機器製造クラスター形成
- 外資メーカーの工場が多い
- 日本企業の進出実績も多い
4. 山形企業がインドで勝つための“3ステップ”
インド市場は大きなチャンスである一方、動き方を間違えると時間もコストもかかってしまいます。
まずは「ターゲット」「協業先」「市場検証」の3つだけ押さえれば、参入の全体像がクリアになります。
ここでは、山形企業が無理なく進出するための
もっともシンプルで成果につながりやすい3ステップを紹介します。
STEP 1:ターゲットの明確化
インドでは、病院、医療機器メーカー、研究機関など、
顧客によって求められるスペックがまったく異なります。
民間病院チェーン → 耐久性・信頼性を重視
医療機器メーカー → 部品供給の安定性・コスト・ロット
研究機関(IIT、AIIMS) → 試作のスピード・技術的な柔軟性
このように「誰に届く製品なのか」でアプローチは大きく変わります。
山形の電子・光学技術は汎用性が高いため、最初にターゲットを絞らないと、
“みんなに合いそうで誰にも刺さらない” 状態になりがちです。
まずは、「どの分野・どの用途に自社が最も強いか」を明確にし、その顧客像に合わせて戦略を立てることが成功の第一歩です。
STEP 2:現地パートナーとの協業
インドでは、“良い製品を作る企業=売れる企業”ではありません。
インド特有の商習慣として、
- 信頼関係の構築(人の紹介が重視される)
- 価格交渉文化
- 決裁ルートが複雑で時間がかかる
といった特徴があるため、日本企業が単独で市場開拓しようとしても、
初動だけで1〜2年かかることは珍しくありません。
そのため、現地の販売代理店、医療機器メーカー、商社、技術パートナーと組むことが、参入のセオリーとなっています。
とくに医療分野では、
- 病院ネットワークへのアクセス
- 品質保証(現場での修理対応)
- 政府調達のノウハウ
を持つ企業と組むことで、参入スピードが一気に加速し、成功確率も高まります。
STEP 3:展示会・商談会での市場検証
インド市場は都市ごとにニーズが異なるため、
「行ってみないと分からない」部分が多くあります。
そのギャップを埋めるのが、現地展示会での市場検証 です。
以下が主要な現地展示会です。
- Medical Fair India(最大規模)
https://www.medicalfair-india.com/ - BioAsia(バイオ・医療のハブ都市ハイデラバード)
https://bioasia.in/ - India Medical Device Expo(商談密度が高い)
https://indiamedexpo.com/
多くの日本企業が、展示会で得たフィードバックをもとに
仕様の微調整
価格戦略の最適化
どの都市を狙うかの判断
を行い、進出確度を高めています。
5.おわりに:山形の精密技術が“医療アクセスの民主化”を支える
インドは地域による医療格差が大きい国ですが、
高精度・高耐久の医療機器や光学部品が普及することで、
“Affordable & Accessible Healthcare(誰でも手が届く医療)”が加速します。
山形の電子・光学技術は、その実現を支える大きな可能性を持っています。
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