【仕事の金言】Yesと言うインド人との付き合い方

みなさん、こんにちは！インド人のラフルです。
今日から、「インド人と仕事をするための金言」をシリーズにてお届けします。

我々インド人と仕事をする日本人の方よりよく訊かれる質問などを踏まえ、コミュニケーションや円滑に業務を推進する方法をお伝えできればと思います。

なんでも「YES」と言うインド人

日本とインドは、文化やコミュニケーションスタイルが大きく異なる国です。その中でも特に興味深いのが、「YES」という言葉の使い方とその意味の捉え方です。
日本では「はい」と言えば基本的に肯定や同意を意味しますが、インドでは「YES」が必ずしも同じ意味を持つわけではありません。この違いを理解することは、両国間の円滑なコミュニケーションに役立ちます。

過去、日本のクライアントからクレームを受けたことは今でも忘れられません。

「あなたはできると約束しましたよね」
とある請負プロジェクトのミーティング時に言われた言葉です。
日本の会社とのコミュニケーションに慣れ始めた際の出来事でした。クライアントからの言葉を受け、上司に報告と相談をしました。
上司からは「対応できますね、という問いに対して”YES”と応えるのは、必ずそれを成し遂げてクライアントに良い成果物を渡すということである」と言われました。

私自身、大変反省したことを覚えています。
Yesと応えた私の意図は「あなたの言っていることは理解していますよ」ということでした。そのYesがまさか、会社として対応できる範囲であり、成果を出すという約束のYesと受け取られているとは思いませんでした。

インドにおける「YES」の意味

インドでは、「YES」という言葉は時と場合によって異なる意味を持ちます。以下のようなケースが考えられます。

単なる聞いているサイン：多くの場合、「YES」は「聞いていますよ」という意味で使われます。これは、日本語で「うん」と相槌を打つ感覚に近いものです。

同意ではない場合もある：「YES」と言われても、それが必ずしも「同意」や「了解」を意味するわけではありません。「とりあえず肯定しておこう」というニュアンスも含まれることがあります。

断りの代替表現：「NO」と直接言うことが失礼とされる文化背景から、「YES」と答えつつも実際には断る意図が含まれている場合があります。この場合、「できるだけ努力します」や「考えてみます」といった曖昧な表現が使われることもあります。

なぜインド人は「NO」を避けるのか？

インドでは、直接的な拒否（NO）は相手との関係性を損ねる可能性があるため、避けられる傾向があります。特にビジネスや職場で上司や顧客に対して「NO」を言うことは、リスクが高いと考えられています。そのため、「YES」を使って柔らかく対応する文化が根付いています。

日本人へのアドバイス：どう対応すべきか？

このような文化的背景を理解した上で、日本人がインド人とコミュニケーションを取る際には以下の点に注意すると良いでしょう。

確認を重ねる
「YES」と言われた場合でも、それが本当に同意や了解を意味するかどうか確認することが重要です。例えば、「この件について具体的にはどう進めますか？」と具体的な質問を重ねることで、相手の意図を明確にできます。

曖昧さを許容する
インドでは曖昧な表現が一般的です。そのため、「YES」が必ずしも即答や確約を意味しないことを念頭に置き、柔軟に対応しましょう。

非言語コミュニケーションにも注目
インドでは、頭を横に揺らす「ヘッドボブル」など、非言語的なサインも重要です。この動作は「理解しました」や「同意しています」のサインとして使われることがあります。こうした非言語的な要素にも敏感になることが大切です。

オープンエンドな質問を活用する
「はい・いいえ」で答えられる質問よりも、「どのように進めたいですか？」や「この点についてどうお考えですか？」といったオープンエンドな質問をすると、相手の本音や考えを引き出しやすくなります。

まとめ

インド人とのコミュニケーションでは、「YES」が多義的であることを理解し、それに応じた柔軟な対応が求められます。日本人特有の丁寧さや配慮の精神と、インド人の間接的な表現スタイルを組み合わせれば、お互いの文化的背景を尊重した良好な関係構築が可能です。文化の違いを楽しみながら、新しい視点でコミュニケーションを深めてみてはいかがでしょうか？

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