【インド放談Vol.1】ビジネスをするなら競争力のある国で
株式会社インドを選んだ決め手は「時間というコスト」の可視化
株式会社 西インド会社 代表
外ノ池 祐太さま
https://www.westindia-group.com/
株式会社インドがインド進出をサポートした事例を、代表大野によるインタビュー形式でお届けします。今回はインドでコーヒーショップの事業をスタートする株式会社西インド会社代表の外ノ池さんにお話を伺いました。

ーー外ノ池さんがもともと日本で取り組んでいる事業と、海外進出を考えたきっかけを教えていただけますか?
日本で、インド料理やタイ料理などのエスニックに特化した飲食店と、自社開発ソフトウェアに関する事業をやっています。父が海外に関わる事業に携わっていたこともあり、20代の頃から外国で商売をしてみたいという夢がありました。「どうせ海外に出るなら競争力のある場所で勝負したい」と考えたときに、インドに目が向いたんです。
ーーたしかにインドは人口が多くとてもエネルギッシュな国ですが、アジア圏でも他にも魅力的な市場はありそうです。なぜインドだったのでしょうか?
私の父の代からインドには縁があって、私自身が初めてインドに行ったのは40年前なんです。他の国も考えなかったわけではありませんが、インドの会社設立に必要な書類が英語だった点は大きいですね。たとえばベトナムやミャンマーなど、公文書が英語以外のところはなかなか難しいだろうと考えました。

ーー公文書が英語なのは進めやすいですね。インド進出を検討し始めた際の、最初のハードルは何でしたか?
実は、インドへの進出は12年前に一度トライして断念しているんです。当時はまだ30代で、とにかくがむしゃらに挑戦したい時期だったから、物事が進まないことに対するストレスがすごく大きくて。焼き鳥店を開業しようと思ったのですが、場所を決めるためにリストアップして見に行っても、大家さんが来ないとか、会う予定の人に会えないとか、短期の間にものごとを決めることができないんですよね。結果、そもそも法人を作る前の準備がうまく進められませんでした。毎月インドに通って10ヶ月、先が見えなくて、やめようという意思決定をしました。お金だけが溶けていくような気もしましたね。
その苦い経験からコロナ禍なども経て、今あらためて挑戦しているところです。やはり自分が現地に行くことは重要なので、2023年以降は頻繁にインドに足を運んで準備を進めています。
ーー今回のインド進出は株式会社インドがサポートさせていただいていますが、あらためて、私たちを選んでいただいた理由を教えていただけますか?
最初のきっかけは、インターネット検索です。インド進出をサポートしている6社ぐらいと、ウェブ面談を含めてお会いしました。そのときにわかったのが、どこの会社も基本現地に自社スタッフはいないということ。いるとしてもインド人が営むパートナー企業で、結局、みんなあんまりインドのことを知らないんだと思いました。そういう前提なら、価格がリーズナブルな方が良いという考え方になりますが、どの会社もかかる時間が見えないという理由で、かかる金額が見えてこないんですよね。そんななか株式会社インドは、このくらいの期間で準備が進みますよ、という目安をしっかり提案していたんです。他社はケースバイケースです、というところが多かった。
インド進出のことを日本の会社にお願いすると、現地のパートナー企業と進めるというのは理解できます。でも、結局インドのパートナー次第ですよ、と言われてしまうのは困りますよね。そこの時間を握るのは当たり前という感覚があったので、信頼できる会社だなと思ってお願いすることにしました。

ーーありがとうございます!株式会社インドのサポートを受けて、特に良かった点はどのようなところでしょうか?今後、期待していることがあれば、そちらも教えていただけますか?
やはり、インド現地のダイレクターが見つかったことは大きいです。ダイレクターがいないとインドでは商売ができないので、紹介していただいてスムーズに話を進められたのはありがたいですね。
一方で、株式会社インドがどこまでサポートしてくれるのかが予め明確だったら、もっと色々お願いできたのに、と今は思います。実際は、法人設立の後のほうが大変で...たとえば現地のオフィスをいくつかの選択肢から選べるようなサービスがあると良いかもしれません。現地の住居と車をセットで探してもらえるとか、半年契約で宿や車が用意されているとか。インド進出を考えている人の、生活インフラを整えるサービスはニーズがあると思います。
ーー現地での生活に関わる整備を個人でやるのは、とても手間とストレスがかかると思います。そういったサポートがあれば、より事業そのものに集中できますよね。実は当社でもサポートのご用意はあるので、これからは積極的にご提案していこうと思います。今、インドで開店準備を進めていくにあたって、現地でのスタッフの雇用や商取引などはスムーズですか?
日本人とインド人は基本的にマインドが違いますから、そこを理解しておくことはとても大事だと思いますよ。たとえば、SNS担当を探しているとして、「SNSならできます、やったことがあります」と言う人が応募してくれますが、なかなかその成果物を見せてもらえないことも多いです(笑)。
商取引も、いわゆる相見積をとって、商品を比べて決めていこうとするとものすごく時間がかかります。なので、品質を調べたり比較検討する前に、いったん全アイテムを決めてしまって、そこから少しずつ変えていく感じで進めるほうが時間のロスが少ないと思います。品質も担保はしたいが、ある程度目処を立てた業者さんとやりとりすることになるパターンが多いですね。スケジュールを守ってもらえないことも多いので、守ってくれる業者さんと進めていくみたいな感じです。あと、商品が手元に届いてからの入金、というのは鉄板です(笑)。

ーーお話を伺っていると、先ほどの「法人設立後のほうが大変」という言葉が身に沁みます。今回はコーヒーショップ関連の事業を展開されますが、今後のインドでの展望についても聞かせてください。
店舗数を延ばすというよりも、コーヒーを取り巻く周辺のビジネスを伸ばして行くことを考えています。たとえば、農園や、豆の販売、コーヒーに関するツールや焙煎の機械といったマーケットは伸び代があると思います。
私たちがターゲットとしているインド人の一部の層は、家ではチャイ、外ではコーヒーという人が増えてきているんです。その人たちが「家でもコーヒー」という感覚になったら良いなと。家でコーヒーを楽しむためのペーパードリッパーや、小さなエスプレッソマシン、気軽に買える美味しい豆などが、まだまだ存在しないんです。単に店舗数を増やして事業を成長させていくことではなく、紅茶に代わる嗜好品としてコーヒーを日常生活に取り入れてもらうことで、習慣を変容させてインドに新たなカルチャーを作っていくことに興味があります。

また、今年の9月にグルガオンにオープンした店舗TonoTokyo(上写真)では日本のお菓子なども提供する予定なので、ジャパニーズスイーツみたいなものをインドで広めたい気持ちもあります。私たちのビジネスを通して、インドという国に新しい風が吹きはじめる、そんな未来を思い描いています。あとは、これまでの自身の経験を活かして、日本企業がインドに進出したときに、現地で色々なお手伝いができればいいなということも考えています。
ーーインドに住む人たちの暮らしに、コーヒーという新しいカルチャーを広めていく挑戦にすごくワクワクします。インドを訪れた際には、店舗にもぜひ伺いたいと思います。本日はありがとうございました!

外ノ池さんがインド・グルガオンで手がける店舗はこちら
TONO TOKYO COFFEE ROASTERS
Golf Course Rd, DLF Phase 5,Sector 53, Gurugram,Haryana - 122022
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