【インド進出ことはじめ】インド進出のマインドセット
一口に「インド進出」と言ってもその目的に合わせて多様な進出スキームがあることは、「Youは何しにindiaへ!?」でお伝えしました。
では、いざインド進出を考えたときに大切な心構えや覚悟には、いったいどのようなものがあるのでしょうか?
数々の企業のインド進出へのアドバイスとサポートを手掛けてきた株式会社インド代表の大野が、ざっくばらんに語ります。
誰のためのビジネスなのか
「まずはインドを知る」でもお伝えしているように、インドが市場として魅力的であることは間違いありません。いま、グローバル展開が可能なあらゆるビジネスに携わる人が興味・関心を持ちうる国とも言えそうです。
ありがたいことに、当社にインド進出のご相談をいただく機会は年々増えています。その一方で、インドのことを理解したうえで、なぜインドなのか、どうやってインドで事業を展開するのか、結果それがインドに何をもたらすのか、をきちんと深掘りして考えられていないことが少なくない...と感じます。いざお話を伺ってみると、そもそも進出の目的がぼんやりしていたり、極めてビジネス本位・個人本位な姿勢でインドの市場に乗り込もうというケースがしばしば見受けられるんですね。

たとえば「うちの会社の商品は日本で売れていてウケがいいから、インドでも売りたい」と思い立ったとしましょう。その思いつきだけでインド進出をグイグイ進めようとすると、壁にぶち当たってしまうと思うんです。まずは、インド市場をツールとか方法論として捉えるのをやめて、インド市場でインド人を喜ばせてビジネスを大きくしていきたいというマインドにならないと、普通に失敗してしまうと思います。本来、事業とはそういうものなはずですよね。
インドは日本とはまったく異なる地域性・国民性を持つ国です。いま現在成功している日本でのビジネスのことは一旦忘れて、一から戦略を立てて挑む必要があるくらい「違う」と思っていたほうが良いです。ご相談主の方々は日本市場で成功をしている方々ばかりです。日本で当初事業を始めたときを少しだけ思い出し、そのマインドセットを今一度インド進出のために活かしてください。
Respect&Enjoyが大事
インドの市場はたしかにビジネスの舞台として魅力的です。でも、そこだけを見るのではなく、インドの多様性や、そこで暮らす人々の暮らしの営み、自然や文化の豊かさを知り、インドという国にリスペクトを持ってほしい。ビジネス展開を通してインドという国が良い方向に向かうことや、インドの人々が幸せになることに目を向けてほしいです。
残念なことにインドのことを何も調べずに、まずは相談するなんていう方もいます。私たちの仕事はコンサルティングなので、基本的にはご相談いただいた方のご要望に沿いたい、ビジネスを成功に導きたい、という気持ちがあります。ただ、先に述べたようなマインドの事業者の方へは、弊社から十分なご支援をすることが難しい場合もあります。ご依頼いただく企業さまと弊社のパッション(方向性)とやり方が揃っていることは、ご一緒するために重要なことと考えています。
インドにいる「顧客になる方たち(消費者)」に対して思いを馳せていたり、インドの方に良いものを届けたいけれどわからないことが多いから協力してほしいという方なら、喜んで協力したい。総じて、そういう方たちは事業をすごく楽しんでいます。インド進出にあたって多少大変なことがあっても、志がしっかりあって、しかも仕事が楽しいから困難も乗り越えられるんでしょうね。

インド進出の心得3か条
私の経験から、インド進出を進めるにあたって心に留めておいてほしい3つのポイントがあります。
1.とにかく柔軟であれ
当社にはお付き合いのある在インドのパートナーが複数いますし、これまでに数々のオペレーションを経験してきているので、基本的なことは理解しています。それでも、あるパートナーが言うことと、別なパートナーが言うことが違う、みたいなことは実は多いんです。日本では、許認可や役所関連のスキームはかなりきっちりしていて標準化されていますが、インドではその考え方が通用しないことが多々あります。少し厳しい言い方かもしれませんが「柔軟に構えられないなら、進出しないほうがいい」これに尽きます。
実は過去の経験で、質問や事前確認が多すぎて嫌がられてしまったことがあるんです。日本では「先回りして備える」が当たり前ですが、インドでは頻繁に質問をすると「やり取りが面倒だ」と思われて、前に進まなくなってしまうことも。こちらが柔軟に相手のやり方や考え方に歩み寄る必要性を感じました。そういった意味でも、こちらの柔軟な姿勢があとあとメリットとして還ってくると思います。
2.勝負どころを決める
「なんとなくインドに出てみたい」というような問い合わせをいただくこともありますが、なにで勝負して行きたいのかをしっかり決めてから挑まないと、インドでビジネスを成功させるのは難しいと思います。
今のインドの首相(ナレンドラ・モディ氏)は、インド国内で作ったものをインド人(また諸外国)に売り、国内経済を盛り上げて国力を強くする、という政策をとっています。そのため、関税も高いですし、海外からのビジネス参入の障壁も高め。たとえば貿易で日本のものを販売したい場合は、単に日本で売れている製品をトレードするだけではなく、インド人向けにカスタマイズするのもひとつの手段かもしれません。また、将来的にインドの地で製造したものを国内やインド近隣国へ販売するプランを立てるなど、幅広く長期的視野で進出計画を練ることもおすすめです。そのようなインド市場での「勝ち筋」が描けないと、仮に進出できたとしても成功するのは難しいかもしれません。
まずは最低限、どこの市場で(産業・業界)、だれに(対象消費者)、なにを(サービス・製品)、どのようにして(チャネル・販売方法)、何をもたらすのか(バリュー・ベネフィット)をある程度固めておくと良いでしょう。
3.今いる場所でできる調査を
繰り返しになりますが、とにかくインドという国と国民をちゃんと知り、彼らのためのビジネスをやることを考えてほしいです。そのためには、下調べはとても大事。日本に住んでいるインド人に尋ねればわかることもたくさんあると思います。「2.勝負どころを決める」で決めたことをどう裏付けできるかを、自分たちなりに調べて準備すべきだと思います。
別の国で勝負をするときは、「覚悟を決めて臨め!」なんて言葉をかけられることもあるかもしれません。言葉で言うのはむしろ簡単ですが、私は「まずは動けることからやって『じぶんごと』にしよう!」とお伝えしたいです。その積み重ねが、覚悟の上積みとなるはず。そのうえで、私たちにご相談いただければ、よりよいかたちでのサポートが実現できると思います。

「世界」を感じて仕事を楽しむ
私が海外に関わる事業を始めたきっかけは、オーストラリアに留学して多様性に触れたことです。シドニーで目にした多様性は、単に表面的なものだけでなく、より深い次元で存在していることに気づかされました。
まず、街を歩けば一目瞭然の「目に見える多様性」があります。様々な人種や民族が共存し、肌の色や外見の異なる人々が調和して暮らす姿は、私にとって新鮮で刺激的でした。しかし、より印象的だったのは日々の対話を通じて感じた「内在する多様性」です。
「あなたはどう思う?」「あなたの考えは?」といった問いかけが日常的に交わされ、自分の意見を表現する機会が多くありました。同時に、他者の意見に耳を傾ける場面も多く、表面的には気づきにくい個々人の背景や経験、価値観の違いを知ることができました。
海外で暮らしてみて、日本人が日本という閉じた国の中で、個性を活かしきれず暮らしていることに改めて気付かされたんです。もっと日本に海外から人が入ってきやすくなって、もっと日本人が海外に出ていきやすい環境を作れたら、この閉塞感を打ち砕けるかもしれないと考えて起業しました。キャリアフライジャパンを立ち上げたのも、同様の理由です。

今、世界はどちらかというとドメスティックな志向になっていますが、それでも海外に出かけて様々な文化に触れたり、日本を訪れる外国人と触れあう機会があれば、この世界の広さにワクワクしますよね。私たちは、皆さんが世界に思いを馳せるきっかけを与えるようなパートナーでありたいと考えているんです。
インド人は14億人もいるのに、日本人が抱くインドのイメージは「カレーとボリウッド映画の国」程度にとどまってしまっているような気がします。私も住んだことはないので、本当のインドはまだまだ知らないことも多い。でも、知れば知るほど「すっごい楽しいね、この国!」と感じます。ビジネスの本質は、楽しむことであってほしいし、私たちもそうありたい。そして、皆さんのビジネスのサポートを通して、インドの人たちを楽しませることができたら、それは何よりも嬉しいですね。
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