千葉の化学・素材企業が注目すべきインド市場 ― 成長するインドと高機能素材ビジネスの可能性

Mar 04, 2026By Rie Ohno
Rie Ohno

千葉県は、日本有数の石油化学コンビナートを擁する素材産業の中核地域です。
市原市・袖ケ浦市を中心とした京葉工業地帯は、合成樹脂や基礎化学品の供給拠点として長年、日本の製造業を支えてきました。

そして今、インド市場の拡大を背景に、高機能樹脂や特殊素材への需要が着実に高まっています。

本記事では、公的統計や政府資料をもとに、千葉の化学・素材企業が検討すべきインド市場の可能性を整理します。

1.千葉県は日本有数の化学・素材産業集積地

千葉県は、日本の化学・素材産業を支える重要な生産拠点の一つです。
京葉工業地帯を中心に大規模な石油化学コンビナートが形成され、基礎化学品から高機能素材まで幅広い製品が生産されています。

ここでは、千葉県がなぜ日本有数の化学・素材産業集積地といわれるのか、その背景と特徴を整理します。

1.1京葉工業地帯が担う日本の素材供給基盤

千葉県の京葉工業地帯には、エチレンセンターをはじめとする大規模石油化学設備が集中しています。
基礎化学品から高機能ポリマーまで、川上分野の生産拠点として重要な役割を果たしています。

出典:経済産業省 工業統計調査

1.2 化学工業出荷額は全国上位

経済産業省の工業統計によれば、千葉県は化学工業の製造品出荷額において全国上位に位置しています。

国内市場が成熟するなかで、素材メーカーにとって海外市場は成長戦略の重要な選択肢となっています。

1.3 千葉に拠点を持つ大手化学企業のインド展開

千葉県内に大規模生産拠点を持つ企業の中には、インド市場での展開を進めている企業もあります。

■ 三井化学
同社はインドをグローバルサウスの重点地域と位置づけ、
現地法人 Mitsui Chemicals India Pvt. Ltd. を通じて事業展開を行っています。

2025年にはインドにコーティングテクニカルセンター(CTC)を設立し、包装材料などのサステナブル分野での技術対応力を強化しています。

 
■ 旭化成
同社は Asahi Kasei India Pvt. Ltd. を中心に、モビリティ、電子材料、繊維、インフラ分野で事業を展開しています。

ベンガルールを含む拠点で技術連携やサステナビリティ活動も行っています。

2 インド市場で拡大する高機能素材需要

インドの素材需要が拡大している背景を、主に3つの観点から整理します。

2.1 世界一の成長持続性

インド準備銀行(RBI)が2026年1月に発表した報告書では、2025年〜2026年の国内総生産(GDP)成長率見通しは、インドが引き続き世界で最も成長率の高い主要経済国であり続けると発表されています。

特にGST政策(間接消費税の減税)背景に、インド国内の自動車販売は複数カテゴリーで成長を続けています。

出典:Reuters

 
2.2 世界第3位の自動車生産国とEV政策


OICA統計によると、インドは中国・日本に次ぐ世界第3位の自動車生産国です。

EV普及政策(FAME)や「Make in India」政策により、国内製造の強化が進んでいます。

また、EV化に伴い、軽量化樹脂、絶縁材料、バッテリー周辺素材の需要拡大が見込まれています。

2.3 国家インフラ投資による樹脂用途拡大


インド政府は2020年度から2025年度にかけ、National Infrastructure Pipeline(NIP)を通じ、大規模インフラ投資を推進しています。その流れを受け2026年度も過去最大の投資を予定しています。

エネルギー、道路、鉄道、都市インフラなど投資先は多岐に渡り、より樹脂・化学製品の需要が高まっています。

つまり、自動車産業とインフラ投資がインドの成長を支え、その基盤となっているのが化学・素材産業です。

3 千葉の化学企業が検討すべき進出戦略

インド市場には大きな成長機会がある一方、日本とは異なる制度や商習慣が存在します。
そのため、進出を成功させるためには、十分な市場調査と段階的な戦略設計が不可欠です。

ここでは、千葉の化学・素材企業がインド進出を検討する際に押さえておきたい基本的な考え方とアプローチを整理します。

3.1 いきなり工場建設ではなく、入念な検討から


インドは成長市場ですが、商習慣の違い、人材確保・教育コスト、行政手続きの複雑さなどを考慮すると、撤退コストも低くありません。

そのため、段階的アプローチが現実的です。

3.2 制度理解が成功を分ける

GST制度、BIS認証、州ごとの規制差など、制度理解は不可欠です。

制度面や手続きにおけるリスクは、事前に情報を把握していれば多くの場合回避可能です。
こちらの記事を参考に、確認してみてください。

▶︎【失敗事例に学ぶ】インド進出で直面する3大リスクと具体的な対策

 
3.3「需要がある」ものを「売れる」ものにするためのテストマーケティング


インド市場は価格競争も激しく、
現地調達率や顧客の購買意思決定構造を理解しなければ参入は容易ではありません。

化学・素材分野では特に、

  • 仕様認証までの時間
  • テスト導入期間
  • 技術サポート体制

が商談成否を分けます。

マーケティング手法も多種多様なため、大枠をまずは理解してから、自社に合うスタイルを選んでいきましょう。

以下の記事に、マーケティング手法をまとめています

▶︎インド市場攻略ガイド〜BtoB・BtoC・都市・地方を踏まえたマーケティング支援〜

まとめ

千葉県で盛んな川上素材・化学分野は、インド市場においても中長期的なビジネス機会を有しています。
特に自動車産業、インフラ投資、エネルギー分野の拡大を背景に、日本の高機能素材への期待は今後さらに高まっていくと考えられます。

一方で、インドは地域ごとに制度や商習慣が異なり、市場参入には十分な情報収集と段階的な戦略設計が不可欠です。
そのため、多くの企業がまず市場調査やテストマーケティングから進出可能性を検証しています。

もしインド市場について少しでも可能性を感じられた場合は、まずは市場検証から始めてみてはいかがでしょうか。

株式会社インドでは、インド市場調査や現地企業ヒアリング、進出戦略の整理などを通じて、日本企業のインドビジネスを支援しています。

市場規模の確認から具体的な進出ステップまで整理できる、60分の無料オンライン相談も実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

▶︎ 次のステップ: 無料のオンライン相談をはこちら

株式会社インドの参考URL:

市場調査サービス https://indo1985.com/service-service-detail-02
現地法人設立サービス https://indo1985.com/incorporation
営業代行サービス https://indo1985.com/sales-outsourcing