インド進出にコルカタを選ぶべき理由とは?選ばれる5つの理由と他都市比較を徹底解説

Jun 25, 2025By Rie Ohno
Rie Ohno

1. 進出都市の選定がビジネス成功を左右する理由

インドへの進出を検討している企業にとって、「どの都市を拠点にするか」という選択は、ビジネスの成否を左右する極めて重要な判断です。

近年注目を集めているのが、インド東部の要所「コルカタ(Kolkata)」です。かつて「カルカッタ」と呼ばれたこの都市は、歴史と文化に彩られた魅力に加え、東部市場への玄関口としてビジネス面でも大きな可能性を秘めています。

本記事では、インド進出においてコルカタを選ぶべき理由を5つの視点から深掘りし、他の主要都市と比較しながらその適性をご紹介します。

2. コルカタとはどんな都市か?

コルカタはインド東部、西ベンガル州の州都であり、同国でも有数の歴史都市として知られています。

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イギリス植民地時代にはインドの首都であり、現在もヴィクトリア記念堂などの歴史的建造物が街に残っています。人口は都市圏で約1400万人を数え、文化、教育、物流、そして港湾機能の面でインド東部のハブとなっています。

港湾都市としての性格も強く、フーグリ川に面したキドゥルポール港(コルカタ港)は、東南アジアやバングラデシュとの交易において重要な役割を果たしています。成長著しい東部・北東部市場へのアクセスも良好であり、今後ますます戦略的な価値が高まることが予想されます。

3. コルカタを選ぶべき5つの理由

3.1 コスト競争力が高く、進出ハードルが低い
デリーやムンバイといった大都市と比較して、コルカタはオフィス賃料や人件費が圧倒的に安価です。

特に中小企業やスタートアップにとっては、初期投資を抑えつつ事業を開始できる点が大きな魅力。

さらに、生活コストも低いため、駐在員の赴任経費も軽減されます。

また、現地政府は中小企業向けのインセンティブ制度(MSME向け融資、補助金、免税措置など)を整備しており、これを活用することで進出リスクを最小限に抑えることが可能です。

3.2 東部・北東部市場への物流拠点
インドにおいて東部市場へのアクセスは物流の観点で非常に重要です。

コルカタは陸路・海路の両面で優位性を持ち、キドゥルポール港やハウラー駅を拠点に、インド東部やバングラデシュ、ネパール、ブータンへのアクセスが良好です。

港湾機能を活用することで、アジア諸国との貿易ルート構築も容易であり、輸出入ビジネスを展開する企業にとっては理想的なロケーションと言えるでしょう。

3.3 教育水準が高く、優秀な人材が豊富
コルカタは「東のオックスフォード」とも称されるほど教育機関が充実しており、プレジデンシー大学、カルカッタ大学、IIT Kharagpurなど名門校が集まります。

この背景から、英語力や論理的思考に長けた若年人材が豊富におり、IT、設計、マーケティングなどの分野で即戦力を確保しやすいのが特徴です。

実際、日系企業の中には、ITのオフショア開発やBPO業務をコルカタで展開している事例も出てきています。

3.4 文化的親和性と外国人に優しい生活環境
コルカタは芸術、文学、映画など文化的に豊かな都市であり、「インド知の都」とも呼ばれています。

このような文化背景により、外国人に対しても比較的開かれた雰囲気があり、ビジネスのみならず生活面でも適応しやすい環境です。

特に、日本食レストランや日本語対応の医療機関も少しずつ整備されつつあり、今後駐在員数の増加に伴って生活インフラの整備が進むことが期待されます。

3.5 現地政府のビジネス誘致姿勢が積極的
西ベンガル州政府は外国資本の導入に積極的で、産業特区の指定や企業誘致イベントの開催にも力を入れています。

近年では「Bengal Global Business Summit」など国際的な投資フォーラムがコルカタで開催され、インド国内外の企業が注目する都市となっています。

進出後の行政支援も比較的手厚く、州政府と民間支援機関との連携体制も整ってきています。

4. 他都市との比較:なぜコルカタなのか?

4.1 デリーとの比較:行政中心 vs 地場重視型
デリーは中央省庁が集中する行政都市であり、官公庁対応が求められる業種には適していますが、物価・人件費が高騰しています。

これに対し、コルカタは民間主導のビジネス展開に適した環境であり、特に地場との関係構築や中長期的な育成型ビジネスに強みを持ちます。

*デリーについて詳しく知りたい方はこちら

4.2 ベンガルール(バンガロール)との比較:IT特化 vs コスト重視型IT拠点
ベンガルールはIT都市として世界的に有名ですが、競争激化とコスト上昇が課題です。

対してコルカタは、まだブルーオーシャン的な環境が残っており、オフショア開発やBPOなどコスト重視型のIT戦略において有利に展開できます。

*ベンガルール(バンガロール)について知りたい方はこちら

4.3 チェンナイとの比較:製造業 vs サービス・教育型都市
チェンナイは自動車や製造業の集積地ですが、コルカタは文化・教育資源を背景としたサービス業との親和性が高く、語学、IT、BPO、教育関連などのソフト産業に向いています。

*チェンナイについてもっと知りたい方はこちら

5. コルカタ進出に向いている企業とは?

5.1 中小企業・スタートアップ:低コストでの市場テストに最適
コルカタはオフィス賃料や人件費が安価で、進出初期のコストを抑えやすい都市です。

大都市に比べて進出企業が少ないため、競合の少ない環境で事業を試せるというメリットもあります。

さらに、現地政府が中小企業向けに実施しているMSME制度(補助金や優遇税制)を活用することで、資金負担を大幅に軽減できます。

都市規模としては十分なマーケットが存在しており、小売やサービス業を中心に「ローリスク・ローコスト」でのテストマーケティングを行いたい企業にとって、コルカタは非常に適した拠点です。

段階的な成長を狙う企業には理想的な土壌と言えるでしょう。

5.2 教育・語学・IT人材ビジネス:優秀な人材確保が容易
コルカタは教育機関が集積しており、高学歴で英語力の高い若手人材が豊富です。

インド工科大学(IIT)やプレジデンシー大学など、全国的にも評価の高い大学から毎年優秀な人材が輩出されています。

語学学校、IT研修、オンライン教育などの分野で展開を考える企業にとっては、教育意識の高い土地柄と人材供給の安定性が大きな強みとなります。

また、日系企業で日本語対応人材を採用する事例もあり、日本語教育との親和性も高まっています。

オフショア拠点としてIT業務やサポートセンターの設立を検討している企業にも適しており、人材育成と雇用の両立が可能です。

5.3 食品・小売・サービス業:文化的素地と価格感覚のバランスが魅力
コルカタは文化や芸術に対する関心が高く、消費者の美意識や健康志向も比較的高い傾向にあります。

そのため、日本の品質やブランドに対する信頼感が根強く、日系の食品、化粧品、日用品などのBtoC商材は受け入れられやすい土壌があります。

また、物価が安価であることから価格設定に柔軟性を持たせた販売戦略が取りやすく、中間層へのアプローチもしやすい環境です。

さらに、近年では日本食レストランや日本式の生活サービスが都市部で少しずつ広がりを見せており、消費者の間に日本への親近感が生まれつつあります。

サービス業やリテール業にとっては、未開拓の有望市場です。

5.4 貿易・物流企業:東インド市場のゲートウェイを担う拠点
港湾都市であるコルカタは、東インドおよびバングラデシュ、ネパール、ブータンといった周辺国への物流拠点として高いポテンシャルを誇ります。

キドゥルポール港やNSCB空港を活用することで、海路・空路の両面で効率的なサプライチェーンを構築可能です。

特に東部・北東部市場は、今後の人口成長と産業発展が期待されるエリアであり、先行して物流網を整備することで大きな競争優位を確保できます。

また、港湾使用料や輸送コストも他都市に比べて抑えられるため、コスト効率の高い展開ができます。国境を越えたサウスアジア連携を見据える企業にとっては、コルカタは戦略的な進出候補地です。

6. 注意点と進出前の準備

特徴をいくつかまとめました。ご確認ください。


特徴概要
インフラ面の課題道路渋滞や電力インフラの安定性に注意
ベンガル語圏であることへの理解英語は通じるが、現地文化への配慮が必要
駐在員生活インフラ日本人学校やインターナショナルスクールは限定的
行政手続き他州に比べてやや慎重な傾向があるため、専門家の支援が望ましい


7. まとめ:コルカタは“次の有望都市”になり得る存在


首都デリーや商業都市ムンバイに比べて、まだ目立たない印象のあるコルカタ。

しかし、その背後には、コスト競争力、優秀な人材、文化的素養、東部市場への玄関口という魅力が詰まっています。

急成長都市の飽和とコスト上昇に直面している今、あえて「コルカタに目を向ける」ことは、競合と差をつける新たな選択肢になり得ます。インド市場で長期的な展開を目指す企業にとって、コルカタは“次のフロンティア”として真剣に検討すべき都市です。

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参考URL:

市場調査サービス https://indo1985.com/service-service-detail-02
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営業代行サービス https://indo1985.com/sales-outsourcing


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