インドBtoB市場をまるっと理解! ~成功への鍵は市場特性&トレンド~
近年、高い経済成長を維持し、巨大市場として世界から注目を集めるインド。多くの日本企業がインド市場への進出を検討していますが、BtoB(企業間取引)市場に関してはまだ情報が少ないのが現状です。
この記事を読むことで、インドBtoB市場について、どこからどのように考えればいいのか、糸口を見つけることができます!
最後に、関連記事のリンクもまとめておりますので、ご活用ください。
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1. インドBtoB市場の基本情報
インドは、13億人を超える人口を擁し、日本の約9倍の国土面積を持つ巨大市場です。経済成長も著しく、近年ではIT産業を中心にサービス産業の成長も目覚ましいものがあります。
BtoB市場においても、この経済成長と巨大市場が大きな影響を与えています。自動車産業をはじめとする製造業、IT、教育、食品関連など、多岐にわたる分野でBtoB取引が活発に行われています。
ただし、インド市場を一括りに捉えるのは危険です。地域によって文化、言語、民族が異なり、商習慣や消費者の嗜好も大きく変わるため、地域ごとの特性を理解することが重要です。
インドの市場概況は以下の通りです。以下の表は、外務省の「インド基礎データ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/data.html)」より引用しております。
項目 | 内容 |
正式国名 | インド共和国 (Republic of India) |
面積 | 328万7,469 km² (2011年国勢調査、係争地含む) |
人口 | 14億1,717万人 (2022年 世銀資料) |
首都 | ニューデリー (New Delhi) |
言語 | 連邦公用語: ヒンディー語、その他、憲法公認の州言語 21言語 |
宗教 (2011年) | ヒンドゥー教 (79.8%)、イスラム教 (14.2%)、キリスト教 (2.3%)、シク教 (1.7%) 等 |
名目GDP (2023年) | 3兆5,499億米ドル (世銀資料) |
一人当たりGDP (2023年) | 2,485米ドル (世銀資料) |
GDP成長率 (2023年) | 9.2% (インド政府発表) |
通貨 | ルピー (INR) |
2. インドBtoB市場の特性
インド市場でビジネスを展開するために、必ず理解しておきたい特性を4つご紹介いたします。
1.多様性
インドのBtoB市場は、地域、産業、企業規模によって多様性に富んでいます。取引先のニーズも多岐にわたるため、柔軟な対応が求められます。
2.成長性
インド経済の成長に伴い、BtoB市場も拡大を続けています。特に、インフラ整備、IT、自動車、食品加工などの分野は、今後の成長が期待されています。
3.価格競争
インド市場は価格競争が激しいことで知られています。Value for Money(価格に見合う価値)を重視する消費者が多いため、高品質な製品・サービスを適正な価格で提供することが重要です。
4.独特の商習慣
インドには、日本とは異なる独特の商習慣が存在します。例えば、契約締結に時間がかかる、交渉が長期化しやすい、といった特徴があります。現地の商習慣を理解し、尊重することが、円滑なビジネスにつながります。
*アンダーザテーブルの習慣や、とにかくYESと言われる場合の対応など、様々なインドの商習慣に関する記事をまとめています。
ぜひお役立てください。
お役立ち記事:仕事の金言
3. インドBtoB市場のトレンド
トレンドを抑えビジネスを展開することで、有利に展開することが可能となります。2025年現在ビジネスを検討されているのであれば、ぜひ以下の3点を念頭に置かれることをお勧めします。
1. デジタル化の急進とBtoB取引の進化
インドでは、政府主導の「Digital India」政策のもと、BtoBでも急速にデジタル化が進んでいます。
たとえば、電子請求書(e-invoicing)やGST(物品・サービス税)の電子申告義務化により、取引の透明性と効率性が高まっています。さらに、Udaan(ウダン)やIndustryBuyingといったBtoB向けECプラットフォームの急成長も、製造業・小売業の調達プロセスを変えつつあります。
2. スタートアップの成長と協業の機会
インドは世界第3位のスタートアップ大国で、2024年時点で約100社がユニコーン企業となっています。特にSaaS(Software as a Service)、物流テック、フィンテックの分野では、業務効率化やコスト削減に直結するソリューションが次々と登場しています。
大手企業もこれらスタートアップとのオープンイノベーションに力を入れており、日本企業にとっても共同開発やパートナーシップの好機となっています。
3. 政府政策による産業支援と外資誘致
モディ政権の「Make in India」政策をはじめ、「PLI(生産連動型インセンティブ)」などの施策によって、製造業やEV、電子部品分野への投資が加速しています。
たとえば、AppleのサプライヤーであるFoxconnや、韓国のSamsungなどが現地での生産拠点を拡大しており、BtoBサプライチェーンの需要が高まっています。
また、外資企業向けに法人設立手続きの簡素化や税制優遇も進んでおり、日本企業にも追い風となっています。
4.インドBtoB市場を牽引する6つの主要セクター
インドの経済成長を力強く支えるBtoB市場。その中でも特に注目すべき、活気に満ちた主要セクターをご紹介します。これらの分野は、インド国内外の企業にとって大きなビジネスチャンスを提供しています。
【製造業】「Make in India」が後押しする巨大製造拠点
インドは自動車、化学、繊維、電子機器、医薬品など多様な製造業が集積するアジア有数の生産拠点です。
とりわけ自動車産業では、スズキ、トヨタ、ヒュンダイなどの海外メーカーが現地生産を拡大しており、それに伴う金型、精密部品、ロボット設備のBtoBニーズが高まっています。
「Make in India」政策やPLI(生産連動型インセンティブ)によって、電子機器やスマートフォン製造(例:AppleのFoxconn)もインド国内へとシフトしており、現地部品供給、設計支援、技術研修といった付加価値型サービスに注目が集まっています。
【IT・ソフトウェアサービス】SaaS・AI分野で先行するIT大国
インドのIT業界は、TCS(Tata Consultancy Services)やInfosys、Wiproといったグローバル大手が牽引し、約500万のIT人材が活躍する世界最大級のデジタルハブです。
最近では、ソフトウェア開発受託だけでなく、SaaS(例:Zoho、Freshworks)、AI、クラウドインフラなどを自社開発するスタートアップも急増。
企業向けに、ERP導入支援、RPA(業務自動化)、セキュリティ対策といったBtoBソリューションを提供する企業が台頭しており、日本企業との共同開発・委託先としての活用も進んでいます。
【建設・インフラ】国家規模の都市整備と再生可能エネルギー投資
インド政府は、今後5年間で約1.4兆ドル規模のインフラ整備計画(National Infrastructure Pipeline)を進行中です。
高速道路(例:Bharatmala計画)、地下鉄網(例:ムンバイ・デリー)や産業都市開発(DMIC)といったプロジェクトにより、セメント、鋼材、重機、CAD/BIMエンジニアリングサービスへの需要が拡大。
また、再生可能エネルギー分野では太陽光・風力発電の導入が加速しており、変電設備、蓄電システム、モニタリング技術など、環境対応型のBtoBサービスが求められています。
【卸売・流通】BtoB Eコマースの拡大とDXの進行
インドの卸売業は、依然として地域密着の伝統的な取引が多い一方、Udaan、Jumbotail、MoglixといったBtoB専用ECサイトの登場で、流通構造が大きく変わり始めています。
中小企業(SMEs)はこれらのプラットフォームを通じて、部品、資材、文具、日用品などを直接調達し、価格比較・在庫確認・即時発注が可能に。
さらに、デジタル請求書や電子決済の導入も進み、卸売・流通業における業務効率化とコスト削減が進展しています。
【物流・サプライチェーン】テクノロジーが支える配送ネットワーク
インドのEC市場(2023年で約1,000億ドル規模)の成長に伴い、倉庫業、輸送、在庫管理といった物流サービスの高度化が求められています。
Delhivery、BlueDart、Ecom Expressといった物流企業は、RFID、GPS追跡、AIによる配送最適化などの技術を導入し、より効率的なサプライチェーン構築を支援。
特に、Tier2・Tier3都市向けのラストマイル配送と、温度管理が必要な医薬品物流など、ニッチなBtoB分野での需要が拡大しています。
【金融サービス(FinTech)】企業金融を革新するBtoB FinTech
インドではRazorpay、Khatabook、CredAbleといったFinTech企業が、BtoB向けに特化した金融サービスを展開しています。
これらは、売掛債権を担保にした短期融資、仕入先への即時決済、企業間後払い決済(BNPL)など、流動性を高めるソリューションを提供。
また、AIを活用した信用スコアリングやリスク管理サービスも拡充されており、特に中小企業の資金繰り支援や成長戦略に貢献しています。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
インドの基礎データからビジネストレンド、各セクターの具体的な動向まで、包括的にご理解いただけたのではないでしょうか?
トレンド理解の次は市場に合っているかの調査を進めることとなります。
インドでのビジネスは、一朝一夕で結果が出るとは限らず、根気強く進めていくことがとても重要です。そのため、一歩踏み出す前の市場調査がとても重要です。
とはいえインドの市場調査は少し複雑で、価格についてもなかなか情報が見つからないことが現状です。
市場調査についての詳細は、以下の記事をご参照ください。
インド市場調査の適正価格とは~賢い選択のための料金ガイド~
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参考URL:
市場調査サービス https://indo1985.com/service-service-detail-02
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