【インド法人設立豆知識】資本金の設定について
インド進出を検討している日本企業の皆様、こんにちは!
今回は「インド法人設立における資本金設定」についてご説明します。
結論から申し上げると、資本金の上限下限額は特段ないです。
いくらでも設定いただくことができます。理論上は1インドルピーから設定可能です。ただし、それぞれ要件などもございますので一つ一つチェックしましょう。
最低資本金要件の撤廃
2015年の会社法改正により、インドにおける会社設立時の最低資本金要件が撤廃されました。以前は非公開会社で10万ルピー、公開会社で50万ルピーの最低資本金が必要でしたが、現在はこの制限がなくなっています。
授権資本と払込資本について
インドでは、資本金に関して以下の2つの概念があります。
授権資本(Authorized Capital): 会社が発行可能な株式の上限額
払込資本(Paid-up Capital): 実際に株主が払い込んだ資本金額
会社設立時には、将来の増資を見据えて授権資本を適切に設定することが重要です。
日本の事例で考えると、授権資本金は日本の定款記載する最大株式発行数の概念です。
払込資本金は、登記簿謄本に記載されている「資本金」と書かれている金額同様です。
また、記載通りの解釈ではありますが、授権資本金額の中で払込資本金を設定します。
授権資本金額以上に払込資本金額を設定することはできません。
項目 | インド | 日本 |
授権資本 | 定款に記載が必要 | 定款に記載が必要 |
払込資本 | 最低額の規定なし(理論上1ルピーから可能) | 最低額の規定なし(1円から可能) |
資本金の通貨 | ルピー建て | 円建て |
外資規制 | 業種によって出資比率に制限あり | 多くの業種で外資100%所有が可能 |
印紙税 | 授権資本額に応じて課税 | 特に言及なし |
資本金払込み期限 | 登記完了後60日以内 | 特に言及なし |
増資手続き | 授権資本の範囲内で可能 | 定款変更により可能 |
資本金設定時の留意点
登録免許税と印紙税: 授権資本金額に応じて登録免許税と印紙税が決まります。不必要に高額な授権資本金を設定すると、これらの税金も高くなってしまうため、注意が必要です。
10-100万インドルピーの金額設定の場合、印紙税は5,000インドルピー(あるいはそれ以下)程度です。1000万インドルピー設定の場合、日本円で40-50万円ほどの税金となるため事前調査と計画を行うことを推奨します。
*印紙代を調べたい方はこちらのサイトを参考にしてください。より正確な金額は契約するチャータードオフィスへお伺いすることを推奨します。
将来の増資計画: 近い将来に増資を予定している場合を除き、実際に発行する予定の株式の額面合計額を大きく超えて授権資本金を設定することは避けましょう。
業種による規制: 銀行業など、特定の業種では最低資本金要件が設けられている場合があります。
外資規制: 業種によっては外資出資比率に制限がある場合があるため、資本金設定時に確認が必要です。
資本金の払込み
会社設立後、銀行口座を開設し、株主から資本金を受け取ります。
資本金受領後30日以内に、インド準備銀行(RBI)に対して送金額を事後報告する必要があります。
資本金受領後60日以内に株式を発行し、終了後30日以内にRBIに報告する必要があります。
まとめ
インドでの法人設立における資本金設定は、最低要件が撤廃されたことで柔軟になりました。しかし、税金や将来の事業計画、業種別の規制などを考慮し、適切な金額を設定することが重要です。また、資本金の払込みと報告に関する手続きも忘れずに行う必要があります。
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