【インド法人設立豆知識】資本金の設定について

Krishna K
Jan 19, 2025By Krishna K

インド進出を検討している日本企業の皆様、こんにちは!
今回は「インド法人設立における資本金設定」についてご説明します。

結論から申し上げると、資本金の上限下限額は特段ないです。
いくらでも設定いただくことができます。理論上は1インドルピーから設定可能です。ただし、それぞれ要件などもございますので一つ一つチェックしましょう。

1.インド法人最低資本金要件の撤廃

2015年の会社法改正により、インドにおける会社設立時の最低資本金要件が撤廃されました。以前は非公開会社で10万ルピー、公開会社で50万ルピーの最低資本金が必要でしたが、現在はこの制限がなくなっています。

2.インド法人の授権資本と払込資本について

インドでは、資本金に関して以下の2つの概念があります。

授権資本(Authorized Capital): 会社が発行可能な株式の上限額
払込資本(Paid-up Capital): 実際に株主が払い込んだ資本金額
会社設立時には、将来の増資を見据えて授権資本を適切に設定することが重要です。

日本の事例で考えると、授権資本金は日本の定款記載する最大株式発行数の概念です。
払込資本金は、登記簿謄本に記載されている「資本金」と書かれている金額同様です。

また、記載通りの解釈ではありますが、授権資本金額の中で払込資本金を設定します。
授権資本金額以上に払込資本金額を設定することはできません。

インド法人資本金, 資本金, インド法人,インド 法人 資本金

3.インド法人の資本金設定時の留意点

登録免許税と印紙税:

授権資本金額に応じて登録免許税と印紙税が決まります。不必要に高額な授権資本金を設定すると、これらの税金も高くなってしまうため、注意が必要です。

10-100万インドルピーの金額設定の場合、印紙税は5,000インドルピー(あるいはそれ以下)程度です。1000万インドルピー設定の場合、日本円で40-50万円ほどの税金となるため事前調査と計画を行うことを推奨します。

*印紙代を調べたい方はこちらのサイトを参考にしてください。より正確な金額は契約するチャータードオフィスへお伺いすることを推奨します。

インド法人の将来の増資計画:

増資計画があるか否かで授権枠を調整:
 将来的に増資する予定がなければ、現在の事業規模に見合った額で授権資本金を設定し、税負担を抑制します 。
 とはいえ、増資する可能性がある場合は、授権資本金を余裕ある額に設定し、株主総会の特別決議とe‑Form提出で後から枠を拡大が現実的です。

インド法人における業種ごとの資本金要件と外資規制への対応:

許認可が必要な業種では資本金要件がある:
 銀行業などライセンス制の業種では、最低資本金要件が法律で定められており、これを満たす必要があります。

外資比率規制と資本金の関連にも注意:
 インドでは業種によって外資出資可能割合に制限があり、一定の資本金を用意する必要がある場合もあります 。

コンプライアンス要件との連動:
 払込資本金が5,000万ルピー超 → XBRL形式の財務諸表提出義務、1億ルピー超 → 常勤CS雇用義務など、法的な管理負担が増えます。

4.インド法人の資本金の払込み

会社設立後、銀行口座を開設し、株主から資本金を受け取ります。
資本金受領後30日以内に、インド準備銀行(RBI)に対して送金額を事後報告する必要があります。
資本金受領後60日以内に株式を発行し、終了後30日以内にRBIに報告する必要があります。

5.まとめ

インドでの法人設立における資本金設定は、最低要件が撤廃されたことで柔軟になりました。しかし、税金や将来の事業計画、業種別の規制などを考慮し、適切な金額を設定することが重要です。また、資本金の払込みと報告に関する手続きも忘れずに行う必要があります。


インド進出に関するお問い合わせはこちらまで


#インド #インド進出 #海外進出  #インド進出支援 #支援会社 #コンサルティング
#資本金設定


📣その他お勧め記事📣
【インド法人設立豆知識】企業のネーミング設定について
【インド法人設立豆知識】株の保有率について
【インド法人設立豆知識】法人税について