【インド法人設立豆知識】株主の要件とは?
インド進出を検討している日本企業の皆様、こんにちは!
今回は「インド法人設立における株主の要件」についてご説明します。
インド法人設立に伴う株主要件について
インドでの法人設立について、非公開と公開会社の2種類存在します。
それぞれに求められる株主の要件は下記のとおりです。
非公開会社(Private Limited Company)
* 最低2名の株主が必要
* 株主数の上限は200名
* 株主は個人でも法人でも可能
* 外国人・外国法人も株主になれる
公開会社(Public Limited Company)
* 最低7名の株主が必要
* 株主数の上限なし
* 株主は個人でも法人でも可能
* 外国人・外国法人も株主になれる
多くのケースは非公開会社での設立になるかと思います。
最低2名の株主を設置するにようにしましょう。
それぞれの事例を取り上げます。
事例1:
①日本法人、②個人株主(日本国籍)とする
任命可能です。
事例2:
①個人株主(日本国籍)、②個人株主(インド国籍)とする
任命可能です。
事例3:
①個人株主(インド国籍)、②個人株主(インド国籍)とする
任命可能です。
事例4:
①個人株主(日本国籍)、②個人株主(中国籍)とする
任命可能ですが、懸念事項があります。
インド法人設立において、取締役および株主に下記国籍の個人や法人(代表が該当国の場合)の場合は注意事項がございます。
外国直接投資規制の対象となる恐れがあります。
2020年に導入された規制により、インドと陸上で国境を接する国*からの投資や、実質的所有者がそれらの国に所在または国民である場合、政府ルートでの投資が義務付けられています。これは投資対象業種を問わず適用されるため、中国籍の株主がいる場合は、インド政府の事前承認が必要となります。
対象国は以下の通りです:
中国
パキスタン
バングラデシュ
ネパール
ブータン
ミャンマー
アフガニスタン
上記国籍の株主が含まれる場合、セキュリティクリアランスという審査を受ける必要があります。そのため、同審査に費やす時間とリスク(審査が通過しないこともある)を考慮の上、設立工程を進めます。
その他株主に関する留意点
1. 居住要件: 株主には居住要件はありませんが、取締役には居住要件があります。
2. 完全子会社化: 非公開会社の場合、最低2名の株主が必要なため、1社で100%出資することはできません。
3. 名義株主の利用: 2名目の株主として、グループ会社や信頼できる個人を名義株主として利用することが一般的です。
4. 外国投資規制: 外国人・外国法人が株主になる場合、業種によってはFDI(外国直接投資)規制があるため注意が必要です。
5. 株式譲渡制限: 非公開会社の場合、定款で株式譲渡を制限する必要があります。
まとめ
インドで法人を設立する際は、非公開会社か公開会社かを選択し、それぞれの株主要件を満たす必要があります。多くの日系企業は、設立・運営が比較的容易な非公開会社を選択しています。
株主構成を決める際は、完全子会社化の制限や外国投資規制などに注意が必要です。
また、将来の事業拡大や上場の可能性も考慮して、適切な法人形態と株主構成を選択することが重要です。
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