インド現地法人設立に必要な書類とは?手続きの流れと注意点をわかりやすく解説(前編)

Apr 22, 2025By Rie Ohno
Rie Ohno

インドに進出するにあたり、「法人設立に必要な書類って何があるの?」「どれくらいの時間がかかるの?」と疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。

特に初めてインドでのビジネスを検討している企業担当者にとって、制度や手続きの複雑さは大きな不安材料です。

今回は前編として、インドで現地法人を設立する際に必要な書類手続き全体の流れをお伝えいたします。

*こちらの情報は2025年4月現在の情報です。最新情報として、インド政府の企業省ホームページも併せてご確認ください。

1. インドにおける法人形態の種類とは?


インドで現地法人を設立する際には、まずどの法人形態を選ぶかを決める必要があります。

主に選ばれているのは「株式会社(Company)」で、さらに「非公開会社(Private Limited Company)」と「公開会社(Public Limited Company)」に分かれます。

日本企業の多くは、株主が2人以上、取締役が2人以上いれば設立でき、公開義務がない「非公開会社」を選択しています。

そのほか、「有限責任事業組合(LLP)」や「支店(Branch Office)」「駐在員事務所(Liaison Office)」などの進出形態もありますが、営業活動の自由度や出資比率の柔軟性から、多くの場合は現地法人の設立が選ばれています。設立後のコンプライアンス要件も考慮しながら、目的に合った形態を選ぶことが大切です。

2. インド現地法人を設立するには?全体の流れを把握しよう


インドで法人を設立する際は、

「会社名の申請」→「法人設立申請」→「税務登録と銀行口座開設」

という3つの主要ステップを踏みます。

これらの手続きはすべて、企業省(Ministry of Corporate Affairs/MCA)が提供する「SPICe+(スパイスプラス)」というオンライン申請フォームを通じて行われます。

※企業省:各種フォームのダウンロードページ

3. インド法人設立における必要書類と手続きの3ステップ

Step 1:会社名の申請(SPICe+ Part A) 【所要日数:1〜3営業日】

 内容項目
説明
希望会社名(最大2案)事前に調査し、他社と重複しない名称を選定
事業概要の説明
英文で簡潔に記載(MCAの審査対象)
登録予定の業種分類(Main Division)産業分類に応じて該当部門コードを選択

備考:申請後1〜3営業日で承認され、承認後の社名は20日間有効です。その間に設立申請まで完了する必要があります。


Step 2:法人設立申請と書類提出 【所要日数:5〜10営業日(書類準備)+3〜5営業日(審査)】

 書類名
 所要日数(準備目安)
SPICe+ INC-32(会社設立申請書)書類が揃い次第作成(1〜2日)
e-MOA / e-AOA(定款)テンプレートがあれば1〜2日
DIR-2(取締役就任同意書)DIR-2(取締役就任同意書)
サイン取得含めて1〜3日
INC-9(宣誓書)電子署名で1日以内
本社登記証明書(英訳+アポスティーユ)5〜10営業日(日本国内処理)
パスポート・住所証明書コピー取得は即日、認証含め2〜3日
登記予定地の賃貸契約書など現地オフィス次第(即日〜1週間)
株主や出資者のKYC書類1〜3日(認証含む)

備考:すべての書類が揃い次第、SPICe+で電子申請が可能です。審査完了まで通常3〜5営業日ほどかかります。

※外務省:「証明(公印確認・アポスティーユ)・在外公館における証明」

Step 3:税務関係等の付随手続き 【所要日数:5〜7営業日】

 手続き項目
所要日数・概要
PAN(納税者番号) 申請から取得まで約5営業日。SPICe+内で同時申請される
TAN(源泉徴収番号) PAN申請と同時に自動取得される(特別な追加手続きは不要)
銀行口座の開設(現地銀行) 書類提出から開設完了まで5〜7営業日程度。銀行によって時間差あり

備考:銀行口座はPAN取得後に開設可能。資本金の払込など、後続ステップの起点となる重要手続きです。

Step 4:設立完了後〜稼働までの流れ 【所要日数:概ね2〜3週間】

 項目内容
所要日数・概要
資本金の払込 銀行口座開設後、即日実行可能
ROCへの払込証明提出1〜2営業日(オンラインで手続き)
GST登録(必要に応じて)約7〜10営業日(課税取引を行う企業は必須)
労務関連登録(ESIC・EPFO等)5〜7営業日(従業員がいる場合に必要)
オフィス設営・通信契約個別条件によって大きく異なる(1週間〜数週間)
スタッフ雇用・契約書整備最短2週間〜(人員採用・法務チェック含む)

備考:これらが完了してはじめて「実質的な稼働開始」が可能になります。
手続きごとに並行処理できる部分もあるため、全体の段取り設計が鍵となります。

後半では、「インド側と日本側で準備する書類の分担一覧」「インド側でかかる手続き日数まとめ」「インド法人設立でやりがちなミスやトラブル」「Q&A」などをご紹介します。

まとめ

まとめ:法人設立は段取りが命。専門家の力を借りて効率よく進めよう
インドでの現地法人設立は、しっかりとした準備と制度理解があれば、決して難しくはありません。しかし、必要書類の量や、制度の更新頻度、言語的な壁など、やはり日本国内とは勝手が大きく異なります。

だからこそ、現地に精通した専門家と連携し、書類の整備や手続きのタイミングを見誤らないことが何より重要です。

私たち株式会社インドは、日本企業の皆様のインド進出という名の壮大な冒険を、情熱と専門知識を持ってサポートするプロフェッショナル集団です。

インド市場に関する深い知識と、豊富な経験に基づき、お客様のビジネスの成功に不可欠な情報と、魔法のようなソリューションを提供します。

私たちの現地法人設立サービスは、お客様一人ひとりの個別のニーズに合わせて、まるでオーダーメイドの冒険プランのようにカスタマイズされます。市場調査、競合分析、参入戦略立案、ビジネスパートナー探し、法務・労務に関するアドバイスなど、インドビジネスに関するあらゆるご要望にお応えします。

株式会社インドは、お客様のインドビジネスという名の航海における、最高のパートナーとなることを目指しています。

参考URL:

市場調査サービス https://indo1985.com/service-service-detail-02
現地法人設立サービス https://indo1985.com/incorporation
営業代行サービス https://indo1985.com/sales-outsourcing


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