【仕事の金言】インド人の納期遅れを防ぐ逆算的マネジメント手法
ナマステ!株式会社インドのラフルです。
今日は、多くの日本企業の皆さんが悩む「インドの納期遅れ」について、インド人の視点からお話しします。
なぜインドでは納期が遅れるのか? “時間の感覚”の違いを理解しよう
インドの時間は“伸び縮みするゴムのよう”
インドでビジネスをしていると、会議や納品の時間が予定通りに進まないことがよくあります。
日本の皆さんからすると「なぜ時間を守らないの?」と不思議に思うかもしれません。
でも、インドでは時間は“伸び縮みするゴム”のようなもの。状況や人によって、短くも長くもなる柔軟なものなのです。
文化的背景にある「柔軟さ」と「大らかさ」
インドには「すべては神や運命のタイミングで動く」という考え方が根付いています。
計画通りに進まないことも「縁」や「天の意志」と受け止め、柔軟に対応するのがインド流。
「多少遅れても最終的に成果が出ればOK」という実利的な考え方も強く、納期は“目安”という感覚が一般的です。
インフラや組織面の現実
インドはインフラの発展途上国。
突然の渋滞や停電、部材調達の遅れ、外部発注先の都合など、物理的な要因も納期遅延の大きな理由です。
複数の部署や会社が関わると、どこかで必ず遅れが生じやすい構造になっています。
マルチタスクと“臨機応変”な働き方
インド人は同時に複数の仕事を進めるのが得意ですが、予期しない出来事や人間関係の調整に多くの時間を割くことも。
「時は金なり」という考え方はあまり一般的ではなく、時間管理は個人差が大きいです。
逆算型コミュニケーションの具体的マネジメントノウハウ
インドで納期を守りたいなら、期限は実際より前倒しで伝える
マイルストーンを細かく設定し、進捗を頻繁に確認する
期待値やリスクを最初にしっかり共有する
“なぜこの納期が大切か”を丁寧に説明する
こうした「逆算型コミュニケーション」がとても有効です。
インド人スタッフやパートナーと納期を守りながら成果を出すための「逆算型コミュニケーション」について、実践的なマネジメントノウハウを明文化します。
1. ゴール(納期・成果)の明確化と共有
まず、最終的な納期や成果物の内容を「具体的・数値的・期限付き」で明確に設定し、関係者全員に共有します(SMARTの法則:Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-boundを意識)。
「なぜこの納期・品質が重要か」を背景も含めて説明し、相手の納得を得ることが重要です。
2. 逆算スケジュールの設計
ゴールから逆算して、必要なタスクを洗い出し、中間マイルストーン(日付・成果物)を細かく設定します。
各マイルストーンの担当者・期限・成果物を明文化し、文書(メールやチャット)で合意を取ります。
3. 前倒しの締切設定
実際の納期よりも1~2週間早い「社内締切」や「中間納品日」を設定し、インド側にはこの前倒し日程を伝えます。
余裕を持たせることで、突発的な遅延やトラブルにも対応できます。
4. 進捗確認とリマインドの徹底
マイルストーンごとに進捗報告を義務付け、定期的(例:週1回)に進捗状況を確認します。進捗報告や問題発生時は、必ずメール等で記録を残し、関係者全員で情報を共有します。口頭説明のみで終わらせず、「確認した内容をメールでまとめて返信してください」と依頼し、証拠を残します。
5. 証拠と透明性の確保
問題発生時は、スクリーンショットやエビデンスの提出を求め、事実関係を可視化します。
重要なやり取りは必ず関係者をCCに入れて記録し、責任の所在を明確にします。
6. 柔軟性と即応力のバランス
インド特有の突発的な事情(宗教行事、インフラトラブルなど)にも柔軟に対応できるよう、リスクを事前に洗い出し、代替案や予備日を設定します。
ただし、責任の所在や合意事項は曖昧にせず、都度文書で再確認します。
7. フィードバックと振り返り
プロジェクト終了後は、何がうまくいき、何が遅延の原因だったかをチームで振り返り、次回以降の改善策を明文化します。
インドの“伸び縮みするゴムのような時間感覚”を理解し、余裕を持ったスケジュール管理を心がけてください。
最後に
インドの時間感覚は、日本と大きく違います。でも、その違いを理解し、柔軟に対応すれば、きっと良いビジネスパートナーになれるはずです。
皆さんのインドビジネスがうまくいくことを、心から応援しています!
ナマステ!
*インド市場へ興味ある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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