「インド現地法人設立」と「駐在員事務所」どちらが最適?目的別に比較解説|日系企業向け進出ガイド

May 31, 2025By Rie Ohno
Rie Ohno

はじめに

急成長を続けるインド市場。中間層の拡大やIT分野の発展、若年人口の多さなどを背景に、今や多くの日系企業がインド進出を検討しています。

しかし、進出にあたり最初のハードルとなるのが「現地法人を設立すべきか、それとも駐在員事務所にすべきか?」という選択です。

この判断は、ビジネスの成否にも関わる重要なポイント。本記事では、現地法人と駐在員事務所の違いやメリット・デメリット、目的別の選び方、設立手続きの流れ、税務・法務リスクまでをわかりやすく解説します。

インド進出の最初の一歩を、確実に踏み出すための判断材料としてお役立てください。

1. 現地法人と駐在員事務所、まず何が違うのか?

インドには、外国企業が進出する形態としていくつかの選択肢がありますが、中でも「現地法人(Private Limited Company)」「駐在員事務所(Liaison Office)」は、もっとも多く選ばれる2つの代表的な形です。

簡単に言えば、現地法人はインド国内で自由に商業活動ができる一方、駐在員事務所は営業や収益活動が禁止されており、あくまで連絡や情報収集、広報活動に限定されます。

この違いを押さえることが、最適な選択への第一歩です。

*現地法人を設立するときのネーミングに困ったらこちら*
▶️【インド法人設立豆知識】企業のネーミング設定について

2. 【ユーザー別】どちらが向いている?
 3タイプ別の選び方

2.1 日本企業の海外展開担当者
すでに複数の国で展開している、あるいは中長期的なインド市場での拠点化を目指している企業には「現地法人」がおすすめです。

営業活動や取引契約、雇用など、あらゆる業務を現地で完結できるため、企業としての本格的な足場づくりに最適です。

2.2 中小企業の経営者
「まずは様子を見たい」「テストマーケティングしたい」と考える場合、駐在員事務所での進出が適しています。

市場調査や現地パートナー探し、販路調整など、初期段階の動きに対応でき、リスクも限定的です。

2.3 法務・管理部門の実務担当
社内で進出準備を進める際には、法的な制限や税務面の比較がカギになります。

営業活動を行う予定があるなら現地法人一択ですが、そうでないなら、税務リスクや撤退時の簡便さから駐在員事務所のほうが有利なケースもあります。

2. 【比較表】現地法人 vs 駐在員事務所のメリット・デメリット

ユーザー別にざっくりとどちらが適切かをみた後は、具体的にあなたのビジネスのとってどちらが良いか、考えてみましょう。現地法人と駐在員事務所を大きく7つのポイントで比較しました。営業活動の可否以外にも、いくつか違いがあります。

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4. 設立手続きの流れと必要書類

現地法人と駐在員事務所はもちろん設立手続きが異なります。また、比較的簡易的ではある現地法人事務所も、きちんとステップを踏む必要がありますので確認してみてください。

4.1 現地法人の設立手順(SPICe+制度利用)

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*もっと詳しく現地法人設立について知りたい方は、以下もおすすめです*
▶️インド現地法人の設立にかかる期間は?ステップ別の目安とスムーズに進めるコツ
▶️インド現地法人種類まとめ|貴社におすすめの形態とは?

4.2 駐在員事務所の設立手順

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5. 税務・法務上の注意点とリスク比較


5.1 現地法人にかかる主な税務リスク
法人税:基本税率は約25%前後(条件により異なる)
移転価格税制の対象 → 日本本社との取引は要注意
毎年の会計監査、税務申告が義務

5.2 駐在員事務所にかかる主な注意点
駐在員個人に対して所得税が発生する場合あり
営業活動が発覚すれば、ペナルティ・課税対象になる
銀行送金や費用清算などに厳格な規制

6. よくある誤解と実務上のポイント

「駐在員事務所でも営業できるらしい」はNG。 
→ 印刷物の配布や価格交渉も“営業”と見なされる可能性あり。

「現地法人は設立後すぐに自由に運用できる」も誤解。 
→ インド会社法(Companies Act, 2013)の順守義務が多く、定期報告や登記の管理が必要です。

日本と異なり、インドでは「取締役の居住要件」や「会社名の承認制」など、独特のルールが多いため、専門家の支援を受けることが推奨されます。

まとめ:あなたのビジネスに最適な選択はどちらか?

インドでのビジネス展開を成功させるには、「何をしたいか」によって最適な進出形態を選ぶことが肝心です。
現地法人と駐在員事務所、それぞれの特徴を正しく理解し、自社の事業戦略・人的体制・コスト感覚に合った選択を行いましょう。

短期的には駐在員事務所で様子を見ながら、将来的には現地法人へ切り替える「段階的な進出」も有効です。事前のリサーチと専門家の活用が、インド進出成功のカギを握っています。

私たち株式会社インドは、日本企業の皆様のインド進出という名の壮大な冒険を、情熱と専門知識を持ってサポートするプロフェッショナル集団です。
インド市場に関する深い知識と、豊富な経験に基づき、お客様のビジネスの成功に不可欠な情報とソリューションを提供します。

私たちの現地法人設立サービスは、お客様一人ひとりの個別のニーズに合わせて、オーダーメイドでカスタマイズされます。市場調査、競合分析、参入戦略立案、ビジネスパートナー探し、法務・労務に関するアドバイスなど、インドビジネスに関するあらゆるご要望にお応えします。

株式会社インドは、お客様のインドビジネスという名の航海における、最高のパートナーとなることを目指しています。

参考URL:

市場調査サービス https://indo1985.com/service-service-detail-02
現地法人設立サービス https://indo1985.com/incorporation
営業代行サービス https://indo1985.com/sales-outsourcing

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